お子さんがなかなか人と関わろうとしない。
そんな悩みをお持ちの方も多いかと思います。
以前、私の教室の生徒だったAくんの話をきいてください。
いつもブロックで遊ぶAくん
その当時Aくんは、まだ言葉を話すことができませんでした。
私が話しかけたり、関わろうとしても無反応のことが多く、背をむけるなど拒否する姿勢をとります。
Aくんはいつもブロックでなにかを組み立てていました。
手の力のコントロールも苦手だったので、大きな音をたててブロックを重ねます。
そして、ある程度まで積むとすぐ壊して、また1から積み上げていくという遊びを延々繰り返していました。
こどもを観察し、行動を想像する
いつものようにAくんがブロックを重ねているとき、私はそばで見ていました。
しばらく観察しているうちに、ただ無造作に重ねているようにみえたブロック、そこにAくんなりの法則性があることに気づいたのです。
そこで私の考えたその法則性が、合っているかを確かめるために次にAくんがとるであろう、色と形のブロックを私から手渡してみました。
すると、その時A君ははじめて私と目を合わせ、そのブロックを受け取りました。
Aくんのちいさな変化
それからは、Aくんが手にとったブロックの色を、私がかならず言うようにしてみました。
すると、はじめは聞いていないかのようにみえたAくんでしたが、次に来たときには、自分から「あか」「あお」といいながらブロックを積み上げるようになっていました。
そのうちにだんだんと私のほうをみることも多くなり、やがてちゃんと机の前にすわり課題を行うことができるようになりました。
関わり方がわからないのだということ
このようなA君の例からわかることがあります。
それは、人と関わろうとしない子は「人との関わり方がわからない」のだということです。
もしここで、その子に「人が嫌いな子」であるとか「もともと人に興味がない子」などのようにレッテルをはってしまうと、その子はますます人と関わろうとしない子になってしまうでしょう。
まずは大人が、子どもをよく観察し、今、どんなことに興味があり、なにをしたいと思っているのかを想像するところから始めてほしいと思います。
あきらめずにトライアンドエラーを繰り返す
たとえ相手がことばを話す大人であっても、その人がなにを考えているかを想像するのは難しいことです。
まして子どもが相手なら、なおさらですよね。
けれどあきらめずに観察し、想像する。
何回もトライアンドエラーを繰り返しながら少しずつ、相手の世界に近づいていく。
子どもの支援には、そんな努力が欠かせないのではないかと思っています。
こちらもぜひ参考にしてくださいね☟ 言いたいことが言えないこども その3つの理由と対処法
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