子どもの自律をうながす3つのポイント②失敗したときにかける言葉がけ

前回の記事では、子どもの自律をうながすポイント①選択できる自由についてご説明しました。
今回は、自律のポイントのふたつめ、子どもの「失敗」についての考え方と言葉がけについてご紹介したいと思います。

成功した時の言葉がけ

例えば、子どもがテストで100点をとったとき。

「あなたはすごいね!」
「天才だね!」
「みんなの中で一番だね」
こんな言葉をかけたくなりますよね。

でも、実はこのような言葉がけはあまりおすすめできません。
これらに共通するのは、その子の素質をほめているということ。

素質をほめてしまうと、自分より優れている子がいる場合などに、自分の価値を認められなくなってしまいます。
またできない自分は認められてない、ダメなんだと思ってしまう可能性があるのです。

「よくがんばっていたものね」
「勉強して成長したんだね」
このように、努力や成長に焦点をあてた言葉がけをすると、子どもはありのままの自分自身が認められていると感じられます。

失敗したときの言葉がけ

では、失敗したときはどうでしょう。
テストの点数が悪かった時には、こんな言葉をかけてしまいがちではないでしょうか。

「こんな点数だと、いい学校にはいれないわよ」
「お兄ちゃんはこんな悪い点をとったことがありません」
「今度からはこうしなさい」

「いい学校にはいれない」というのは、子どもに対する脅しです。
そもそも学びはいい学校にはいるためにするものではないですよね。
「お兄ちゃん」など、他の子と比較することも、子どものやる気を低下させます。


また、あれこれとアドバイスをすることは、暗に
「あなたには能力がない」
というメッセージを送っていることになり、こどもの自律の心を妨げてしまいます。

こちらの記事で詳しく説明しています
自律した子どもを育てるために知っておきたい考え方:ヘルプとサポートのちがいとは

失敗は成長のチャンス

このようなことは、大人自身が「失敗してはいけない」と思い込んでいることが原因である場合も多いのです。

たとえ何か失敗したからといって、その人の価値や能力が低いということにはなりません。
むしろ失敗をすることで人は成長し、能力を高めていくのです。
失敗は成長のチャンス!
まず、大人がしっかりとそう認識していることが重要です。

もし子どもが何か失敗をしてしまったら、その出来事を自分でふり返ることができるように手助けしていきましょう。

「どんな問題でまちがえてしまったのかな」
「見直しをするために手伝えることはあるかな」

などのように、いつでも力になるよというメッセージを伝えましょう。
そうすることで子どもは
「失敗しても大丈夫」
「どんな自分も認めてもらえている」

と、失敗を恐れず、チャレンジしていくことができるようになります。
チャレンジする子どもは、困難な課題に取り組むことができるようになっていきます。
そのようにして、自分には能力があると自分を信じる力がうまれていくのです。

安心して失敗することができる環境を整える

それが、子どもの自律をうながすふたつめのポイントです。

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