佐藤裕子さん(仮名)は、6歳の長女と3歳の長男を育てるママです。
最近、裕子さんが、気になっていることがあるとご相談がありました。
それは長女がお友達に「NO」と言えないこと。
例えば
・自分が使っていたおもちゃをお友達に勝手にとられても何も言わずに黙っている。
・本当はお家で遊びたいのに、お友達に遊びに来てとさそわれると断れない。
そして
「最近娘は、お友達に合わせてばかり。言いたいことが言えなくて、元気もやる気もなくなってきた」
とのことでした。
実は、裕子さんのお子さんのような「断れない性格」と「やる気」には大きな関係があります。
なぜNOを言えないとやる気がなくなるのでしょうか?
そしてどうすれば、上手に自己主張出来るようになるのでしょうか
この記事では、その理由と解決法をご紹介します。
NOが言えないと、なぜやる気がなくなるのか?
その理由は次の3つです。
1.やりたいことがわからなくなる
自分のやりたいことをがまんしてお友達に合わせていると、だんだん本当は自分がなにがやりたかったのかわからなくなってしまいます。
やりたいことがわからないと「やる気」が失われてしまうのです。
2.「やられている感」が増えると、楽しさが半減する
「自分で決めたこと」は楽しく感じますが、「やらされること」をしている時は本当に楽しい気持ちにはなりません。
NOを言えず、いつも相手のペースに合わせてしまう子どもは、「自分で選んだ!」という感覚を持つ経験が少なくなりがち。
この状態が続くと、何をするにも「自分の意思で動いている」という感覚がつかず、やる気をなくしてしまう可能性があります。
3.「自分の気持ちは後回し」が習慣化する
「自分の気持ちを言う」経験が少ないと、いつしか自分の気持ちより、相手の気持ちを優先しなくてはいけないと思うようになってしまいがちです。
自分の気持ちは後回しが習慣化してしまうと、自信もなくなり、やる気も失われてしまうのです。
このような理由から、特に、幼児期の子どもは「自分の気持ちを伝える経験」がとても大切です
「私はこうしたい!」と伝えることができると、自信がつき、積極的に行動できる子になっていきます。
アイメッセージで言いたいことをじょうずに伝える
裕子さんの長女のように、「NOを言えない」「自分の気持ちを伝えられない」 子どもには、おとなが「こう伝えるといいよ」と具体的な言い方を教えることが大切です。
そのカギとなるのは「アイメッセージ(Imessage)」です。
アイメッセージについてはこちらの記事に詳しく書かれています
子どものためのアサーショントレーニング② 親子で実践したいアイメッセージ
では裕子さんのお子さんのケースでどのようにアイメッセージを使っていけばいいかを考えてみましょう。
🟠 ケース1:おもちゃを勝手に取られたとき
❌ 「ああ持っていっちゃった…」(NOが言えない)
⭕ **「私もまだこのおもちゃで遊びたいな」(Iメッセージ)
👉大人のサポート例
「わたしがまだ遊んでるんだよ。一緒に遊ぶ?」
「順番であそぼう。私がおわったらかしてあげるね」
このような言い方もできることを伝えます。
🟠 ケース2:「本当は家で遊びたいのに、さそわれると断れない」
❌ 「いやだな…でも断れない」(NOが言えない)
⭕ **「私は今日は自分のお家で遊びたいの」(Iメッセージ)
👉親のサポート例
「誘ってくれてありがとう」
「今日はごめんね。また誘ってね」
このように付け加えるとお友達の気持ちも大事にできることを伝えます。
おとなもアイメッセージを使おう
こどもはいつも大人の様子をみて学んでいます。
普段から大人たちがアイメッセージを使っていると、子どもも自然にアイメッセージを使うようになります。
❌ 「なんで片付けないの!」(YOUメッセージ)
⭕ **「おもちゃがいっぱいちらかっていると、ママは困る」(Iメッセージ)
アイメッセージを使うことで、大人にも気持ちがあるということも気づかせることができます。
まとめ:アイメッセージを使う、子どものやる気がアップする!
「NOを言えない」と、子どもは自分の気持ちを抑えがちになり、やる気がなくなってしまうこともあります。
しかし、アイメッセージを使うことで、「自分の気持ちを大切にしながら相手に伝える力」が育ち、自己主張が上手になっていきます。
そして、自分の気持ちを表現できると、自信が持てるようになるのです。
子どものやる気の土台となるのが、自己主張の力。
アイメッセージをじょうずに使い、子どものやる気をどんどんアップさせていきましょう!
EQを高める「こころそだて」
子育てのヒントとなる情報を
メルマガで毎週お届けしています。