生徒の中にも、大人を困らせるようなことをする子が時々います。
わざとものを投げたり、おもちゃをこわしたり…
自分でも悪いことだとわかっていながら大人を困らせる行為、それはこどもの「試し行動」です。
試し行動とは
「試し行動」とは、自分の行動を相手がどの程度まで受け入れてくれるかを探る行為です。
また、そのことにより、相手がどんな反応を示すかも確かめています。
つまり、こどもは自分自身への愛情を確かめる方法として、「試し行動」をとっているのです。
「試し行動」と「いやいや期」との違い
なんでも「いや」といいはじめる「いやいや期」のことはご存じの方も多いかと思います。
「いやいや期」は自我の芽生えで、子供の自然な成長の過程。
自己主張の力のはじまりです。
いやいや期はこどもの成長とともに、自然に収まっていきます。
しかし、試し行動の背景には、以下のような気持ちが隠れている場合が多いのです。
- 大人の態度が一貫していないため混乱している
- 自分の思い通りにならないことに対して相手に不満を感じている
- 大人に対して取引をしようとしている
こんな言葉に気を付けて
子どもに対して、例えば
「お片付けをしないならもうおもちゃは買いません」
「帰らないならママは先に帰ります。もうここに泊まっていきなさい」
などのような言葉を使ってしまうことはないでしょうか。
しつけをしなければいけないという気持ちから言ってしまいがちですよね。
でも、このような言葉は子どもを「脅す」ことで言うことを聞かせようとしています。
こんな言葉が積み重なると、こどもは大人の態度に不安を感じ、愛情を確かめようと「試し行動」をとることがあります。
またこどもは大人をモデルにして行動します。
力でコントロールされると、自分も同じように相手をコントロールしようとしてしまうのです。
試し行動への対処法
こどもの気持ちを受け止める
試し行動が出てしまっている時は、まずはこどもの気持ちを受け止めることが大切です。
いつも以上にこどもの様子に気を付け、問題行動が起きていないときに笑顔で話を聞く時間をつくりましょう。
スペシャルタイムを設けるのもお薦めの方法です。(スペシャルタイムについてはこちら→忙しいあなたに伝えたい~親子が仲良くなれるスペシャルタイム①)
悪いことをしてはいけないときちんと教える
しかし一方、よいことと悪いことの区別はきちんと教える必要があります。
例えば「物を投げる」という行動が出ている場合
①「物は投げてはいけない」と事前に教えておく
②投げそうになる前に「物は投げるものだったかな」と言葉で制す(投げさせない)
③投げてしまったら「拾って元に戻してください」と冷静に伝える
全体を通じて、感情的に対応しないことが大切です。
イライラしたり、強い口調で怒鳴ったりすることは禁物。
そのためには、大人がまずは深呼吸して落ち着きましょう。
自分が冷静であるかどうか確認してください。
そして穏やかに、冷静に、毅然とした態度で、悪いことをしてはいけないとしっかり伝えましょう。
こどもにていねいに関わるチャンス
「試し行動」が出ている時は、子育てについてネガティブにとらえがちになってしまうこともあるでしょう。
でも、子育ては誰もが「トライアンドエラー」の繰り返し。
どれが正解なんてことはないのです。
「試し行動」が出ている時は、こどもとの関わりを見直すチャンスなのかもしれません。
このような繰り返しを経て、愛着が形成されていくのです。
もしもこどもの対応に困っている時には、一人で悩まず相談してください。
子育ては、自分だけが頑張るものではありません。
色々な人に助けてもらいながら、肩の力をぬきリラックスして、こどもと向き合っていきましょう。
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