「障害」「障がい」「障碍」表記がいろいろある理由と社会モデルの考え方

「しょうがい」と書く時にみなさんはどう表記しますか。
自治体やメディアによっても書き方は様々ですよね。

調べてみると「障害」「障碍」「障がい」の3つの書き方が一般的です。
それらについては今まで様々な議論がされてきました。

言葉の歴史とその考え方についてご紹介したいと思います。

障害という言葉の歴史

3つの表記の中で一番早く使われていたのは「障碍」です。

「障碍」はもともと仏教用語で(しょうげ)と読みました。


これは今使われている「障害」の意味とは少し異なり、「仏教で悟りを開くための妨げになるもの」という意味だったそうです。

そして江戸末期になると「障害(しょうがい)」という言葉がうまれました。
これは日本独自のことばです。

「障碍」も(しょうがい)と読むようになりましたが、このころはまだ(しょうげ)と読むことのほうが多かったようです。

その後大正時代に「障害」が常用漢字に登録され、「障碍」→「障害」に統一されるようになりました。

「障害」という表記に対するさまざまな意見

しかし、「障害」という言葉に対しては様々な意見があり、議論されてきました。

平成22年、内閣府では「障害の表記に対する検討結果について」というレポートを出しています。

それによると「障害」という表記について

「害」という字は、「公害」などで使われる「害」という字をつかっているため、不適切であるという考えがある。

それでは「害」という字を使わず、「障がい」や、「障碍」を使えばいいのではという意見がでてきました。

しかし、それぞれについて肯定的意見もあれば否定的意見もあり、議論は続いています。

そしてそもそも表記をどうするかということの議論だけでは、問題の根本的解決にはならないのではとも言われています。

社会モデルで考える

そうなると、ここで大切なのは「社会モデル」です。


社会モデルとは、「障害」は個人の問題ではなく、社会が作り出す障壁なのであるという考え方です。

社会モデルについてはこちらの記事をご覧下さい。
障害ってどこにあるの?社会モデルと個人モデルの考え方

つまり「障害」というのは障害者本人ではなく社会の側の障害のことであり、障害者とは社会にある障害と向き合っている人たちだとも考えられるのです。

神経発達症とは

また最近では発達障害について、「神経発達症」という言い方が広まってきました。
これはDSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアルで採用された用語です。

「Disorder」を「障害」「症」と邦訳し、併記しています。

ここでも障害というよりも、個々の症状であるという考え方が広まってきているのだと考えられます。

みんなが自分ごととして考えること

そう考えていくと、問題にすべきなのは「障害」をどう表記するかではないのではないかと思えてきます。

それよりも今、困っている人のことを、他人ごとではなく、自分のこととして考えてみる。

どうすれば多様である私たちが、暮らしやすくなっていくのか。

それをひとりひとりみんなが少しずつ、自分ごととしてとらえていくこと。

それが、社会モデルの考え方であり、みんなが幸せになっていくための道のりなのだと思っています。


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