発達障害のある子の中には、言葉の獲得が遅れている子がいます。
教室ではそのようなお子さんたちに、幼児期から言葉の獲得を促すアプローチも行っています。
実はお子さんの中に、日本語は全く話せないのに、なぜか英語で単語をつぶやく子が時々いるのです。
(療育の世界では結構あるあるな話です。)
リンゴのカードをみて「apple」とか
数字をみて「five」とか…
胎教で英語を聞かせていたとか、
産まれて少しの間はアメリカにいたとか
英語に触れる機会が多少あった子に多いのですが、
ほぼ日本語に囲まれた生活をしているにもかかわらず…です。
とても不思議です。
うまれたばかりの赤ちゃんは脳がまだ未完成
新生児の脳には、成人の脳よりもはるかに多いニューロンがあります。
そして、誕生直後の「刈り込み」と呼ばれるプロセスがあり、あまり使われない神経結合は失われ、
よく使われる神経回路が発達していきます。
そもそも赤ちゃんの耳は、お母さんの声の周波数帯域の音を聞きやすくなっています。
そして、だんだん母語の音を聞き取りやすいように、変化していきます。
ですが、発達障害のある子はこの機能がちょっと違っていて、
お母さんの声の周波数帯域を特別に聞きやすくはなっていないようなのです。
言葉を覚える時期に気をつけてほしいこと
各言語の周波数帯の違い
つい先日、とても面白い事実を発見しました。
周波数帯域の話です。
私たちが普段話している声の周波数帯域は、
およそ 250Hzから4,000Hz といわれているのですが
聞き取りやすい周波数帯域が言語によって差があるのだということ
日本語の125~1,500Hzに対して、
英語は2,000~12,000Hz。
言語 | 主な周波数 |
日本語 | 125~1500Hz |
英語 | 2000~12000Hz |
イタリア語 | 2000~4000Hz |
ドイツ語 | 125~3000Hz |
ロシア語 | 125~8000Hz |
このように英語と日本語では聞き取りやすい周波数帯域が全くかぶっていないのです!
もしかして、英語の周波数帯域を聞き取りやすい耳の子が一定数いるのではないだろうか。
その子の世界を想像してアプローチする
もちろん、何の根拠もありません。
ただ、こうしたことでもその子の内側ではどんな世界があるのかを想像する。
そしてトライアンドエラーを繰り返しながらアプローチをかけていく。
…当たり前のことだけれど、ひとは一人ひとりみんな違う。
だから、もし誰かがその違いで困っていたとしたら
違いをお互いに認め合い、
助け合うことが大切なのだと思います。
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