約束が守れない、すぐカッとなってけんかしてしまう、思い通りにならないと癇癪をおこす…
こんな「がまん」ができない子に悩んでいませんか。
こんな時は「がまんする力について理解する」ことが大切です。
ここでは、ある実験のお話から、がまんする力の育み方を説明していきます。
マシュマロ実験
マシュマロ実験とは1960年代に行われた有名な心理学の実験です。
ある幼児施設で、4歳の子どもたちが、マシュマロの置かれた部屋に15分間ひとりで待たされます。
その時に、大人が戻ってくるまでマシュマロを食べずにがまんできたら、もうひとつマシュマロをあげると約束しました。
そのようにして、どれだけの子どもがマシュマロを食べずにがまんできたかを調べた実験です。
結果は、全体のうち、約3分の1の子どもたちがマシュマロを食べず、がまんすることができました。
そして、このことについて、もうひとつ興味深い情報があります。
それは、その後の追跡調査によると、マシュマロを食べなかった子どもたちは食べてしまった子に比べ、社会的な成功をおさめていた人が多かったというもの。
そのことから、幼児期に「がまんする力」を育むことは、その後の人生を豊かにすることと大きな関係があることがわかりました。
がまんの力を育む3つのポイント
では、いったい、がまんする力はどのように育んでいったらよいのでしょうか。
ここで大切なのは、がまんする力とは、なんでもかんでもがまんをする自己犠牲の力ではないということです。
自己主張すべきときは、きちんと意見をいうことができる。
それでいて、感情的にならずに自分をコントロールするために「がまんする力」は大切になってくるのです。
では、そのがまんする力を育むために、具体的な行動のポイントを次にあげてみました。
- 子どもと一緒にルールを確認する
子どもの力を育むには、親と子どもの間にしっかりとした信頼関係が築かれていることが大切です。
「ほしいものがあるときは、買いものに行く日を決める」
など、自分の家のルールを決めておき、そのルールに沿った行動をとりましょう。
親に約束を守ってもらった経験が、がまんをすれば、いずれいいことがあるという気持ちにつながっていきます。 - 小さい「がまん」からおしえ、自信をつける
順番を教える、おもちゃの交代をするなど、コミュニケーションの基礎となるがまんも練習していきましょう。
「ちゃんと順番を守れたね」「交代することができてすごいね」
など、子どものがんばった姿を見ているよと伝えていくことで、子どもは自分にもがまんすることができると自信を持つことができます。 - 子どものやってみたいことを応援する
子どもの「やりたい」と思う気持ちをおさえつけず、応援していきましょう。
子どもが自分からなにかを「がまん」することができるとき
それは、子どもの本当にやりたいことが、その先に待っている時です。
自分が知りたいこと、やってみたいこと、かなえたいことがある。
そのためには目の前のことを「がまん」することができるのです。
EQを高める子育てのカギ、自己コントロールの力
このように「がまんする力」とは、実は、自分の叶えたい目標を達成することができる力なのです。
親が子どもに、一方的にがまんを押し付けることではありません。
子どもの本当にやりたいことを達成するための、ポジティブな「がまん」の力を育んでいきましょう。
EQを高める子育てとは、感情を理解し、自分をコントロールしていく力をつけるための方法です。
EQ能力が高いと、幸福度が上がり、人生が豊かになっていきます。
そのためにも、重要な要素である「がまん」できる力を育んでいくこと。
自己をコントロールする力が育ち、自分の目標に向かってがんばることができる子のための、3つの行動のポイント、ぜひ参考にしてくださいね。
思いやりのある子に育てるための
EQ子育てレッスンヒント
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