ノンバーバルコミュニケーションとは、言葉によらないコミュニケーションのこと。
具体的には、表情や声のトーン、身振りや姿勢などで、お互いに与えあう情報のことです。
私たちは、コミュニケーションをとるとき、無意識にこのノンバーバルな情報をやりとりをしています。
ノンバーバルコミュニケーションについてはこちらもご覧ください☟ ノンバーバルコミュニケーションの重要性 ことばを話せない赤ちゃんが感じとる語気や語感の育み
ではもし、ノンバーバル(言葉以外)とバーバル(言葉)の情報が一致していない場合、人はどのように感じるのでしょうか。
怒った顔で話しかける女児
先日、こんなお話を聞きました。
相談者は、子どもを預かる事業所で働いています。
そこでいつもみている女の子が、最近よく話しかけてくるようになったのだそうです。
「先生、海のない県はいくつあるか知ってる?」
その内容は、大抵、他愛もない質問が多いのだとか。
でも、その時の顔が怒っているような怖い顔で、その話し方もとても強い口調なのだそうです。
話しかけてくれるのはうれしいけれど、いつも怒られているようで、とても違和感を感じるとのことでした。
自分の表情に気づいていなかった女児
ある時、その相談者は、女児に
「どうして、いつもそんなに怖いお顔でお話するの?」
と聞いてみたそうです。
するとその子は
「だって、自分の顔は自分ではみえないからわからないよ。」
と答えたとのこと。
「そうなのね。じゃあ、今度は少しにっこりしてからお話してみて。」
と相談者が促したところ、
「こんな感じかなー」
と、自分で笑顔をつくる練習をしはじめたとのことでした。
マスク生活の影響の大きさ
私たちがコミュニケーションを学ぶ方法は、国語や算数のように正式な教科で覚えるものではありません。
たいていは、周りの大人の真似をして、自然に覚えていくものです。
でも、今の子どもたちは、コロナ禍で育ち、周りの大人たちの表情を見る機会が圧倒的に少ないですよね。
また、自分たちもマスクをして生活するのが当たり前になり、自分自身の表情にも無関心になりがちです。
つまり、以前よりノンバーバルコミュニケーションを学ぶ機会がとても少ないということ。
でも、コミュニケーションにおいては、バーバル(言葉)情報の及ぼす影響はたった7%、ほとんどが、ノンバーバル情報の影響を受けています。
メラビアンの法則
出典:ウィキペディア
感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合である。
要するに、言っている言葉そのものよりも、
どんな顔で、どんな声で、どんな距離感でそれは伝えられたのか。
そのことのほうを、人は重要視し、そのコミュニケーションを判断しているということなのです。
だから、子どもに関わる大人たちは、ノンバーバルコミュニケーションを重要視し、子どもにもっと伝えていくべきなのではないかと感じます。
大人がお手本になっていくこと
そして、やはり大事なのは、大人自身がバーバルとノンバーバルを一致させている姿を見せること。
例えば、
「よくがんばったね。」
と伝えているつもりでも、視線はスマホを見ていたり。
または、
「全然疲れてないから大丈夫」
と言っているけれど、本当はクタクタだったり。
そんな様子を、子どもたちは見て、学習しています。
バーバルとノンバーバルが一致していないと、違和感を感じとりながらも、そうするものなのかと思ってしまうのです。
だからまずは、大人が、自分自身の本当の気持ちに気づいていることが大切です。
例えば、もし疲れていたら
「ちょっと今日はお母さんも疲れちゃった。」
と、子供に伝えたっていいのです。
そのようにして、大人がバーバルとノンバーバルを一致させていくこと。
自分に嘘をつかないことで、自分のノンバーバルコミュニケーションにも気づいていくことができますよ。
そして、大人が子どものお手本になり、子どもたちのコミュニケーションの力を育んでいってくださいね。
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