「ニューロダイバーシティ」いう言葉を聞いたことがあるでしょうか。
Neurodiversityと表記します。
Neuroは脳・神経、Diversityは多様性。
その2つの言葉が組み合わされてうまれた言葉です。
日本では「脳の多様性」「神経多様性」のように訳されています。
ニューロダイバーシティとは?
ではその「脳や神経の多様性」とはいったい何を意味するのでしょうか。
私たちはひとりひとりが違う人間です。
声や身体の大きさや肌や髪の色や、すべてがひとりひとり違います。
だから、全ての人の脳や神経にも違いがある。
考えてみれば当たり前ですよね。
では、「発達障害」についてはどうでしょうか。
現状では「発達障害」についても、特性の違いを「障害」ととらえてしまうことも多いのかもしれません。
しかし、経済産業省ではその特性の違いを「人間のゲノムの自然で正常な変異」としています。
つまり、ニューロダイバーシティとは、発達障害も含めた
脳や神経の違いを、優劣ととらえるのではなく多様性としてお互いに尊重していく
その違いを認め合うことによって、それぞれのよさを社会の中で活かしていこう
という考え方なのです。
少子高齢化が続く日本
今後、日本では少子高齢化で深刻な人手不足が懸念されています。
野村総合研究所の調査資料によると、2020年の国内生産年齢人口は7406万人。
ですが、2060年には4793万人に。
40年間で約35%も減少してしまうのだそうです。
今でさえ、働くことができる人の絶対数が少ないですよね。
にもかかわらず、多くの「発達障害」や「精神疾患」がある人たちが働けていないという現状がある。
とても、もったいないことです。
本来は、その能力を活かせるはずの人たちもたくさんいるはずなのに。
均一性から多様性に
では「発達障害」のある人たちが活躍できる社会にしていくにはどうすればいいのでしょうか。
それには私たち全体が、意識改革をしていく必要があります。
私たちはこれまで、均一性や画一性が重要視される教育をうけてきました。
そしてなるべく普通で、きちんと指示に従える人材をめざすことが大切だったのです。
でも、これからは
「能力に凸凹がある」
「思想や文化が異なる」
「障害がある」
などの多様性を理解し、配慮していく必要がある。
能力に凸凹があるということはできないこともあるのだけれど、できることは人より優れているという場合も多いのです。
できないことばかりに目を向けてその人の能力をつぶしてしまうのではなく、その能力を活かすために環境を整えていくことを考えるべきなのだと思います。
そのためには、社会モデルの考え方も大切になってきます。
子育ても意識改革していく
そうすると、これからの時代のために大人も意識改革していく必要がありますよね。
その子の強みをみつけ、そこを活かし伸ばしていくこと。
だれかに言われたことをこなすだけではなくて、自分で考え行動していくことができるようにサポートすること。
多様性を理解し、お互いを認め合っていくこと。
こんなことを意識しながら、大人たちが子育てや教育に携わっていく。
多くの人がニューロダイバーシティの考え方を知ることで、これからの働きやすい世界の実現につながるのだと思っています。
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