知っておきたい乳幼児期のコミュニケーションの発達段階②三項関係の成立

乳幼児期の発達段階を知ることは、子どもの心を育てる第一歩となるとても大切なことです。
前回は、コミュニケーションの発達が胎児期から始まっていることをお伝えしました。

今回は引き続き、生後4か月ごろからはどのような発達段階をたどっていくのかをみていきたいと思います。

④三項関係の成立期 生後4ヶ月~10ヶ月ごろ

共同注意

三項関係とは、「赤ちゃん(自分)とお母さん(他者)とおもちゃ(物)」のような3つの関係のことです。

それまでは「赤ちゃんとお母さん」のような1対1の関係でしたが、このころからこどもは、お母さん(他者)の視線をたどり、その先にある何か(物)に目を向けることができるようになってきます。

大人とこどもが同時に同じものを見る、そしてお互いが同じものを見ていることをわかっていること。
これを「共同注意」といいます。

おかあさと赤ちゃんが同時にぬいぐるみをみている 共同注意

社会的参照

このように赤ちゃんは、いつも自分の願いをかなえてくれる大人(お母さん)が、同じもの(ぬいぐるみ)を見ていることがわかるようになります。

そして
「このぬいぐるみにさわってもだいじょうぶかな?」
と、お母さんの顔をみて確認します。

これを「社会的参照」といいます。

ぬいぐるみとおかあさんと見比べる赤ちゃん 社会的参照


お母さんが、にこにこ笑顔を返してくれたのをみて赤ちゃんは
「大丈夫だ。さわってみよう」

と安心して、ぬいぐるみに近づいていきます。

安心してぬいぐるみに近づく赤ちゃん

こうして、自分(赤ちゃん)と大人(お母さん)と(ぬいぐるみ)の関係がわかるようになることを「三項関係の成立」といいます。

三項関係成立期の対応

このように、何か新しい出来事に出会ったときに、おかあさんの顔をみて、安心なのかそれとも危険なのかを確認できるようになること(社会的参照)は、その後の子どもの成長にとって重要な分岐点になります。

この「社会的参照の発達」を支えるのが、お母さん(養育者)の重要な役割です。

赤ちゃんが、お母さんの顔をみて確認する行動は、それに、応えてくれるお母さん(養育者)がいるからこそ発達していきます。

そのために大人が気をつけたい対応を、次にまとめておきます。

  • 赤ちゃんが興味がありそうな物(おもちゃ)などを手に取りやすい場所においておくなどの環境を整える
  • 赤ちゃんの出す声を真似したり、好きな歌を一緒に歌ったりする
  • 「はいどうぞ」「ちょうだい」などのものを使ったやりとりの遊びをとりいれる
  • 赤ちゃんとのやり取りの中で、赤ちゃんをあやしたり、物の動く部分を一緒にさわったりする
    (赤ちゃんが自分で感じることをお母さんも同じように反応することに意識を向けやすいように関わる)
  • お座りや寝返り、ハイハイといった身体の発達段階にあった環境をととのえる。

コミュニケーションの力を決める大切な時期

このように、乳幼児期は、コミュニケーションの力を決めるとても大切な時期です。
こうして三項関係の成立期ごろまでに、お母さん(信頼できる大人)との間に大切な絆が築かれていくからです。
それが「愛着(アタッチメント)の形成」です。

この時期に、愛着が形成されたこどもは、他者に対して生涯にわたり基本的な信頼をよせることができるようになります。

また、大人から大切にされている「自分」というものもまた大切な存在なのだと確信を得て「自己肯定感」も高まっていきます。

生きていくうえで何よりも大切なコミュニケーションの力。
乳幼児期は、将来にわたるコミュニケーションの力を決めるとても大切な時期なのです。

参考:障害の重い子どものコミュニケーション評価と目標設定 問いから始める発達心理学


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