「こどもは叱らずほめて育てましょう」
最近、このようによくいわれますよね。
でも、そのほめ言葉が実は、子どもの自己肯定感を低下させてしまう可能性があるのです。
どのようにこどもをほめている?
例えば、兄弟でオモチャを取り合っていたとします。
「おにいちゃんなんだからゆずってあげなさい」
と、大人が言う。
そこでおにいちゃんがゆずってあげたら
「弟にゆずってあげて優しいおにいちゃんね」
とほめてあげる。
こんな状況はよくあるのではないかと思います。
ほめられたおにいちゃんの気持ち
この場合、おにいちゃんは本当にオモチャを譲りたかったのでしょうか。
ちがいますよね。
でも「ゆずりなさい」といわれたから仕方なくゆずった。
ここで「優しい子ね」とほめられると、おにいちゃんはうれしいと感じます。
そして、もっとほめられたいという想いがうまれ、できるだけいつも優しい子であろうとします。
いったい、この状況のどこがいけないのでしょう。
それは、おにいちゃんの本当の気持ちに注目していないこと。
この場合、おにいちゃんは
「本当はゆずりたくない」
という気持ちにふたをして、ほめられるために優しい子であろうとしている状態なのです。
ほめることでこどもをコントロールしている
そもそも、おにいちゃんだからゆずらなくてはいけないわけでもありません。
そしてこの場合は、大人が
「ゆずったからやさしい」
とほめることで、おにいちゃんの行動をコントロールしてしまっています。
こうして自分の気持ちにふたをしてコントロールされ続けてしまうと、こどもの自己肯定感は低下してしまいます。
こどもが本当の気持ちに向き合って、今回はゆずる、今回はゆずらないなどのように自分で決めていくことが大切です。
どんなほめ方をすればいいの?
ほめるということは、こどもをおだててコントロールしようとすることではありません。
その子のそのままを、ただ認めてあげることなのです。
その子の行動を、実況中継するかのようにただ認めてあげましょう。
「けんかになっちゃったね」
「ふたりともオモチャを使いたいんだね」
「ゆずってあげたんだね」
ただ認めるだけの言葉は、こどもに
「いつもみているよ」
というメッセージを伝えられます。
そして自分をしっかり認めてもらっていると感じると、安心しこどもは自ら考えて行動しはじめます。
自分のことをしっかり肯定し、まわりのことを考えることもできるようになる。
本当の意味でやさしい子になっていくのです。
こどものほめ方についてはこちらもぜひ読んでみてください
→ほめてもいいの?こどもとの接し方に悩むときに知っておきたい「PCIT」の考え方
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