子どもの中には、怒ったり、思い通りにならなかったときに物を投げたり、大声をあげたりする子がいます。こんなとき、大人はどう対応すればいいのか悩みますよね。
なぜ子どもは物を投げてしまうのでしょうか?
今回は、子どもが物を投げる理由と、その対処法についてお伝えします。
子どもが物を投げる理由とは?
言葉がまだ上手に使えない
物を投げる理由のひとつは、子どもが言葉で意志を伝えられないことです。
子どもは1歳半ごろから、好奇心が芽生え、いろいろなことに挑戦し始めます。
「触ってみたい」「引っ張りたい」「投げてみたい」と、やりたいことがどんどん増えていく時期です。
しかし、まだ言葉で「イヤ!」「もっと遊びたい」と表現するのはむずかしいため、代わりに物を投げて気持ちを伝えようとするのです。
投げる行動を減らすための工夫
1.物を投げない環境をつくる
とはいえ、子どもが好きなように物を投げてしまうのはよくありません。
なぜなら、「投げたら大人が反応してくれる」と学習し、投げることが習慣になってしまうからです。
そうならないために、投げられそうな物はあらかじめ片付けることが大切です。
例えば、遊びが終わる前に積み木やおもちゃを片付けたり、手の届く範囲に投げやすいものを置かないようにすると、衝動的な行動を減らせます。
また、子どもが物を投げそうになったら、手をそっと包むようにして「投げないよ」と優しく伝えるのも効果的です。
2. 言葉を教えて伝える力を育てる
子どもが物を投げてしまうとき、大人に何かを伝えたい気持ちが隠れていることが多いです。
たとえば、
- 「まだ遊びたい」のに終わりと言われた
- 「ほしい」のに持っていかれてしまった
こうした場面では、子どもの気持ちを想像し、簡単な言葉で伝える練習をしましょう。
「やだ」「ちょうだい」「もっと」 など、シンプルな言葉から始めるといいですね。
そして、子どもが言葉で伝えられたら、少しだけその要求を叶えてあげることがポイントです。
例えば、「もっと」と言えたら、あと1回だけ遊びを延長してあげる。
そうすることで、「言葉を使えば気持ちが伝わる」と学び、投げる以外の方法を身につけられます。
言葉で気持ちを伝えられる子に育てるために
コミュニケーションとは、お互いの気持ちを伝え合うこと。
その第一歩は、大人と子どもの1対1のやりとりから始まります。
大人が子どもに言葉を教えることは、子どものコミュニケーション能力を育てることにもつながります。
子どもが物を投げるのは、まだ気持ちを伝える手段が十分でないサイン。
あせらず、言葉を少しずつ教えていくことで、やがて「投げる」から「伝える」に変わっていきます。
子どもの気持ちに寄り添いながら、楽しくコミュニケーションの力を育てていきましょう!
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