発達障害のある子や、繊細な子は、ちょっとしたことですぐ落ち込んでしまうことが多いものです。そんな時、大人はなんとかして励まそうとしますよね。
でも、ちょっと待って。もしかすると、その言葉がけが子どもによっては逆効果になる場合もあるのです。
励ましの言葉が持つ意味
例えば、子どもがテストで良くない点数を取って落ち込んでいるとき。
「ほかの教科はこんなにいい点数だったじゃないの、そんなに落ちこまないの」
「ネガティブなことばかり考えてないで、ポジティブに考えなさい」
などと、言ってしまうことはないでしょうか。
とにかく元気をださせようと、励ましたり、明るくふるまったりしてしまいがちですよね。
しかし、落ちこんでいる時の子どもは、「悲しい」とか「なさけない」などの気持ちを感じています。
それを、「落ちこまないの」と励まされて(否定されて)しまうと、ネガティブな感情は持ってはいけないのだと感じます。
そんな感情を感じてはいけない、ネガティブな気持ちになる自分はダメな子だと思うようになってしまうのです。
でも、そもそも感情とは、ネガティブなものもポジティブなものも人間にとって必要なもの。
ネガティブ感情は、危険から身を守ったりするために大切な役割をもっているのです。
そこを無理におさえようとすると、葛藤がうまれます。
そしてポジティブに考えられない自分をダメだと感じ、ますます落ち込んでしまうのです。
気持に寄り添う言葉がけを
こんな時は、まず子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。
黙って隣にいてあげるだけでもいいし、背中をさすってあげるだけでもいいのです。
もし、子どもが話しかけてきたらよく聴いてあげましょう。
そして、「くやしい気持ちなのかな」「悲しいのかな」とその気持ちを言葉にしてあげてみてください。
人は落ちこんだり、元気がなくなっているとき、頭の中は霧がかかったようにぼんやりとしてしまっていることが多いものです。
しかし、そのもやもやが「悲しい」などのような感情の言葉で言語化されると
「ああそうか、自分は悲しかったんだ」
と腑に落ち、スッキリしてくるものです。
そして、この時大切なのは、子どもが安心して話せる環境をつくってあげること。
話をさえぎったり、途中で自分の意見を言ったりせず、しっかり聴いてあげてくださいね。
話しをしっかり聴くスキルを傾聴といいます。 傾聴についてはこちらを参考にしてください ☟ 傾聴とは
まとめ
落ちこんでいる子どもの対応で大切なのは、言葉がけの順番です。
1番目は共感
2番目に励まし。
気持ちに寄り添わずに励ましの言葉をかけると、落ちこんだ気持ちの行き場がなくなってしまいます。
そして大人は、子どもに口をだしすぎず、でもどんなときもいつもサポートできるよというメッセージを送ってあげなくてはいけません。
そんなふうにして、安心感を得られると、子どものレジリエンスは強くなります。
子供の成長において、壁にぶつかることは大切なこと。
落ちこんでも自分で立ち直ることができる子どもを、ゆっくり育んでいきましょう。
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