障害ってどこにあるの?社会モデルと個人モデルの考え方

前回のブログで、発達障害の診断についての考え方を書きました。
今回は、発達障害の支援にもとても大切な考え方
社会モデルと個人モデルについて書きたいと思います。

社会モデルと個人モデルの考え方

個人モデル(医学モデル)

個人モデルとは、その人が抱えている困り事に対して、その人個人に障害があるという考え方です。
例えば、車いすの人が入り口に段差がある建物に入りたかったとします。
「でも、その建物に入れないのは、その人が歩けない(障害)という個人の問題ですよね。」
という考え方が個人モデルです。医学モデルともいいます。

社会モデル

それに対して、社会モデルの考え方はこのようになっています。

「車いすの人が建物を利用できないのは、建物に段差(障害)があるからだ。建物にスロープをつければいいのではないか」

つまり、障害は個人ではなく、社会のほうにあるという考え方なのです。

個人モデルから社会モデルへ

個人モデルは医学モデルともいわれています。

その困り事に対し、医学的な治療をうけたり、リハビリをして機能をあがるという視点からもとらえられます。

以前は個人モデルの考え方が主流でした。
障害は個人で乗り越えていくものと考えられていたのです。
ですが、個人モデルだけではやはり乗り越えられない問題が沢山あります。

そこで、障害のある人の権利に関する条約がうまれ、その中で社会モデルという考え方が反映されました。

   発達障害者の支援は、社会的障壁の除去に資することを旨として、行われなければならない。

     発達障害者支援法 第二条の二   

障害があると聞くと、「その人に障害がある」と考えてしまうことはまだまだ一般的なのではないかと思います。

でも、障害とはそのひとを「障害者」として見るのではなく、社会のほうに「障害」があるという考え方もあるということを知り、支援していくこと。

そうした理解が広がることで、多様な人たちが共生できる社会をつくっていけるのではないかと思っています。


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