赤ちゃんが言葉を獲得していくことは当たり前のように思えます。
ですが、いったいどのように言葉を話せるようになっていくのでしょうか。
例えば、日本語を話すことのできる私たちが、英語を学習するときは、
「りんご」→「apple」
のように言葉から言葉への置き換えで学ぶことができます。
しかし、赤ちゃんはまだ何も知りません。
物も人も自分の名前も、すべてについて何も知らない状態です。
いったいどのようにして理解していくのでしょう。
感覚の発達
赤ちゃんの感覚は、はじめは、おっぱいなどの匂いをかぐことからはじまります。
手や口で自分や人や物をさわり、音を聞き、だんだんと目が見えるようになっていきます。
言葉を話せるようになるためにはこの「聞く」ということが大切になります。
しかし、日常会話やテレビの音から聞こえてくる会話は、必ずしも正しい文法が使われているわけではありません。
聞くことができる環境は限られているにもかかわらず、大抵の赤ちゃんがその聞いたこと以上の言葉や文法を獲得していきます。
不思議ですよね。
ではどのように言葉を獲得していくのか、その過程をみてみましょう。
言葉の獲得過程
一般的には、言葉は次のような過程をたどり、獲得されていきます。
①クーイング期
赤ちゃんは、はじめは整った声をだせません。
のどからでるような音でただ泣き声をあげるだけです。
この泣き声(泣くこと)を啼泣(ていきゅう)といいます。
そして生後6~8週くらいになると、機嫌のよいときなどに
「んー」「あー」「うー」などのやわらかい音をだすようになります。
泣き声とはちがうおだやかに声帯をふるわせる音で、その声をきいていると自然に笑顔になってくるようなかわいらしい音です。
この音は息を吐く時にでるともいわれています。
これがクーイングです。
この時期、だいたい生後2か月以降をクーイング期といいます。
②喃語期(なんごき)
その後クーイングがなくなり、今度は2つ以上の音で
「ダアアー」「アムアム」のように声をだすようになります。
この時は唇や舌を使って音をだしています。
これが喃語といわれるものです。
赤ちゃんが、いかにもお話しをしているようで、笑顔でこたえてあげたくなりますね。
③一語期
その後赤ちゃんは少しずつ、お父さんやお母さんの言葉の意味を理解できるようになってきます。
そのころになると「ブーブー」などのような一語の言葉の表出ができるようになります。
でもこのころは
「これは車」「車にのるお父さんやお母さんとあそびたい」
など、色々な意味をみな「ブーブー」の一語で表しています。
そして、その一語の言葉を懸命にお母さんやお父さんお父さんとコミュニケーションをとり始めるのです。
④二語期から語彙爆発へ
その後だいたい一歳半くらいになると今度は
「パン、ちょうだい」
「くつ はいてる」
のような二語文を話すようになります。
この時期を二語期といいます。
かなりコミュニケーションも活発になってきますが、
この時期はまだ「が」や「は」などの助詞は省略されています。
そしてこの時期以降に、急にことばの数がふえる語彙爆発の時期をむかえます。
言葉の数が急激にふえていく時期です。
物の名前も知っているもの、知らないものがはっきりしてくるので、知らないものの名前を
「これなに?」となんでも聞くようになります。
そして、いままでとは段違いの量の言葉を獲得していくのです。
⑤多語期
その後、2歳くらいになると「は」や「が」のような助詞がつかえるようになり、3語以上の言葉をつなげたり、疑問文や否定文なども覚えていって、だんだん会話が成立するようになっていきます。
この時期を多語期といい、だいたい3歳くらいになります。
言葉の獲得のまとめ
このように赤ちゃんはいろいろな段階をとおり、徐々に詞を獲得していきます。
以下に、言葉を獲得する過程をまとめました。
- クーイング期
- 喃語期
- 一語期
- 二語期から語彙爆発
- 多語期
このような間に、赤ちゃんの脳の中ではどのような高度な処理がおこなわれているのでしょう。
実はそのことについては未だ正確なことはわかっていないのだそうです。
言葉の獲得のような高度で複雑なことを当たり前におこなってしまう「赤ちゃんの脳」
本当にすごいですね。
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