はじめまして。HOME 代表 島沢照美です。

発達障害など特別な支援を必要をとするお子さんのご家族からのご相談、お子さん自身の個別療育教室を主宰しています。
また、ご家族や支援者の方にむけた講座を開催しています。
私がこのような仕事をする中で一番重視していることは、みなさんの気持ちの安定です。
なぜなら私は自分も認知症介護のため、支援をうける家族の立場でもあるからです。
家族は、多様なスキルを必要とされる上、ストレスも多いものです。
そんな時に「相談」にのってくれて、「支えてくれる」人の大切さ。
そのことを、身をもって実感しています。
また、発達障害をもつ幼児から成人までの支援経験をもとに、ご家族と、お子さんの発達のお手伝いをしています。
ではなぜ私が、この仕事をするようになったのか、今までの経緯をお話します。
心身の様々なセラピーを学ぶ
大学では心理学を専攻。
母の影響で、茶道、華道、書道も習い、それぞれ師範を取得しました。
その後金融機関に就職したあと、結婚、出産をむかえます。
ところが私は妊娠時に少し体調をくずしてしまったのです。
そして、そのことをきっかけに、小さいころから漠然と抱いていた身体と心への興味がまたふつふつとわいてきました。
様々な整体、マッサージ、リラクゼーションなどに足繁く通いました。
すると身体が楽になり、気持ちも楽になります。
そのうちに今度は、人に施術ができるようになりたいと思うようになりました。
そこでアロマオイルトリートメントやリンパケアセラピーなどの身体のケアの資格を取得。
また、傾聴やコーチングも学び、その資格を活かしてボランティア活動をしました。
それは幼児の預かりや、産後の母親や高齢者の傾聴。
そしてそこで肩や背中、手や腕などの身体のケアなども加えます。
すると、はじめはつらそうだったみなさんがだんだんと元気になっていくのです。
そのことがとてもうれしく、楽しくてやりがいを感じていました。

障害をもつ成人へのカウンセリングを経験
そのころ職場で悩み相談をうけることが多くなり、私は産業カウンセラー資格を取得します。
そしてその資格取得のための講座で、発達障害や知的障害をもつ人の支援の仕事をする方々と出会いました。
その人たちとのたくさんの会話は、今まで知らなかったことばかりで本当に貴重な経験となりました。
そして資格取得後、その中のひとりの人から発達障害をもつ人のカウンセリングをしてほしいと依頼をうけたのです。
こうして私は障害をもつ成人の方のカウンセリングを行うようになりました。
カウンセリングの中で語られた悩みには、共通して小さいときからの体験が関係していました。
家庭、学校、人との関係。
悩みを抱える背景にはその人をとりまく環境の問題が大きく関係しています。
成人のカウンセリングを行ううちに私は、今、発達障害や知的障害をもつ子どもの支援の現場はどうなっているのかを知りたいと思うようになりました。

発達障害のある子への学習支援、心理支援
そこから、小中学生にむけた学習支援をおこなうスクール、放課後等デイサービス、訪問カウンセリングや訪問学習サービスなど、障害専門の民間事業所での勤務をかさねていきました。
また、平行して身体のケアをする施設で、マッサージなどの仕事もしていました。
発達障害学習の方法は、それぞれの事業所により独自の工夫があります。
また支援方法もいろいろな切り口があります。
各事業所での経験は、その子にあったやり方でとても効果があがる場合も多く、やりがいがありました。
しかし一方、お子さんの年齢があがればあがるほど、問題を抱えてしまう場合が多かったのも事実です。
幼児へのことばのセラピー(ABAセラピー)
その後私は、幼児への応用行動分析(ABAセラピー)をおこなう事業所でセラピストとして勤務するようになりました。
自閉症のお子さんのことばを引き出しコミュニケーション能力をあげるためのセラピーを行います。
こちらでは、お子さんの年齢が低いため、成長をご家族と一緒に見守っていくことができました。
ご家族もお子さん自身も安定していく様子をみて、やはり、支援はご家族にもむけて行えるといいと実感しました。
また小さいお子さんの「認知」能力の発達がそれぞれ違うことが、とても興味深かったのです。
脳科学の学びと認知症介護
そしてこの時、脳科学や認知について学び、脳の発達と、身体との関係の深さにも注目するようになりました。
またそのころ私は家庭内では、認知症介護の問題を抱えるようになっていました。
結婚当初から同居していた義父母が2人とも認知症になってしまったからです。
今まで赤ちゃんから幼児、児童と認知をあげていく学習にとりくんできた私は、今度は高齢者の「認知」能力について、考えるようになりました。
高齢者と幼児の違いこそあれ、両者には共通する部分も多くあります。
この時私は、高齢者も幼児発達もみているという経験をフルに活用して
幼児に対しては「機能をできるだけひきあげる」
高齢者に対しては「機能をできるかぎり維持する」
を目標に取組んでいました。
ご相談および個別の療育の教室をはじめる
その後、認知症介護で自宅を離れるのがむずかしくなったこともあり、私は自分で小さな教室をひらくことにしました。
今まで幼児から成人までの支援を行ってきて、やはり、幼児期のご家族から支えていきたいとの想いから、教室は幼児対象の個別療育。
あわせて、ご家族からのご相談にも力をいれました。
平行して、放課後等デイサービスにおいても支援者にむけたアドバイスや、研修を行いました。

認知行動療法CBTとの出会い
ただ、支援する立場、支援を受ける立場、両方を経験してみて思うことがあります。
それは
①支援者の支援は一時的、家族の支援は常時、またはある意味持続的である
②支援者は有償、家族は無償である
ということです。
つまり経済的なことも含め、常時、様々な問題と向き合わなくてはならないのが家族なのです。
このような環境では当然、家族は大きなストレスを抱えることになります。
そんな中、私は認知行動療法(CBT)の第一人者である大野裕先生のもとで学び、CBTストレスカウンセラー資格を取得しました。
また合わせてはじめての心理学の国家資格である「公認心理師」も取得。
認知行動療法は、「なにか困難にあったときにそれに向き合い、乗り越えるための心の力を育てる方法」です。
また「上手にストレスを回避し、問題解決にむかっていく力を育てる方法」でもあります。
認知行動療法では「身体」と「心」、「考え」と「行動」は互いにつながっていると考えています。
多方面からみて、あせらずに問題にアプローチしていくことが大切なのです。
ご家族の不安、ストレスの対処法としてももちろん有効ですし、発達障害をもつ人たちのお困り感に対応するための方法として大きく注目されています。
認知行動変容アプローチをお子さんやご家族にお伝えすることで、心を整え自分らしく生きていくためのお手伝いをしています。

ご家族や支援者のためのセミナーや講座の開催
わたしは自分でも支援を受ける側になってみたことで、困ったときに支えてくれる人のいることの大切さを身をもって感じました。
支えてもらうためには「相談」をしなければなりません。
ですがこの「相談をする」というのは口でいうほど簡単なことではないのです。
限られた時間の中で、初めて出会った人に一から説明することの大変さ。
これはなかなか経験してみないとわからないと思います。
そんな時いつでもわかってくれる人がいるということは、それだけで何よりも心強く、自分でがんばる力を生み出すことができるのです。
このような私の今までの経験が、少しでもみなさんの役にたつことができるなら本当にうれしいと思っています。
今まで、自分が学んできた「心理学」「脳科学」「身体」「生活スキル」その他いろいろ…
それは子育てや仕事、介護をしてきた中でどれも本当に必要だったから学んできた知識です。
どれも、もっと早くから知っていればよかったのにと思うことばかり。
でも、自分が経験し学んできたからこそ、今度はみなさんに伝えていくことができると思っています。
今は、子育て中のご家族や支援者の方のための講座やセミナーを開催しています。
受講していただいた方からは、気持ちが安定し、とても前向きになったなどのお声を数多く寄せられています。
幸せを感じられる子育ての方法を、今必要としているひとりでも多くの人にお届けしたいと奔走する日々を送っています。

“HOME”への想い
「HOME」という名前には、お子さんの成長の過程で、困ったとき、苦しいときに力になれるよう、またうれしいときもいっしょに喜べるような、いつでも戻ってこられる場所という想いを込めました。
また、「発達」とはうまれてから終わりがくるまで、人の一生のすべてを表していると思います。
幼児からご高齢の方まで、いくつになってもみんな「発達」「成長」していくのです。
「発達相談教室”HOME”」は、どんな方にも安心してもらえるような、いつも心に寄り添える安全基地でありたいと思っています。